天帝の鉾とかいうけれど
         〜789女子高生シリーズ

         *YUN様砂幻様のところで連載されておいでの
          789女子高生設定をお借りしました。
 
 


すとんと涼しくなったのみならず、
いきなりの雷雨が襲って、何だか波乱な始まり方をした二学期で。

 「きゃあぁあぁぁっっ!」
 「雷が鳴り止みません〜〜っ。」
 「せ、せんせい、怖いですぅ〜っ。」

都内でも指折りの名門にして、
生え抜きの聖なる女子高生ばかりが通うという
それはそれはお上品な某女学園では、
空がかかっと光るたび、ひぃいと絹を裂くよな悲鳴が上がり、
遠くで低く飛行機が飛んでるような ごろろんどころじゃあない、
ぱしん・ぱりぱらという鋭い雷鳴が轟くごとに、
ひゃあぁああぁぁぁぁ…っという
取り乱した足音つきの悲鳴が右往左往して、

 「避雷針とか、あるのよね。」
 「当たり前です。」

白百合さんの問いかけへ、
私設警備部の主催、ひなげしさんが胸を張る。
混乱に乗じて無人の美術室へと駆け込んだそのまま、
早めのお昼だとばかり、
それぞれが持参していたお重、
ちゃっかりと広げていた三華様がたで。
つくね団子や高野豆腐の卵とじ、
海老入りシュウマイに、
カラフル新鮮な生春巻きに、
若鷄の空揚げ 甘辛煮込み、
鮭とキノコのホイル包み焼きなどなどと、
おかずのバリエもにぎやかならば。
受けて立つご飯サイドも、
稲荷にのり巻き、一口ドリアに、
何のシンプルな塩むすびもいけますよという、
ちょっとした行楽もかくやという
それは豪華なラインナップであり。

  ……もしかして、
  こうなるとの予測もあったとか?(おいおい)

風も出て来たか、時折窓が枠ごとガタピシと軋んでも、
それがどうした風流じゃあないかと、
お喋りしつつ、箸を進めておいでのお三方だったが、
落雷への安全性の話が出るに至り、

 「だが…。」

何か思い出したのか、
金髪色白、しかも紅眼という派手な風貌ながら、
白基調のセーラー服が清楚にお似合いの紅ばらさんが
ぽつりと反語ぽい一言を呟いて。

 「何ですよ、久蔵殿。」
 「兵庫が、」

短いにも程がある一言へ、
白百合さんがうんうんと頷いて補足したのが、

 「あっても角度によっては、
  落ちるとこにゃあ落ちるですって?」

何でそうまでの仔細が読めるんだろうかと、
もはや今更なことを思いつつ、

 「まあまあ言ってくれますわね。」

自分が敷いた防災装備が信用ならぬかと
平八が糸目を開きかかるほど憤慨し、

 「俺が…」
 「ええ、榊せんせえが言ったのでしょう?」

執り成しかかった紅ばらさんへ、
真っ向から言い返したそのまんま。

 そうまで久蔵殿が大事で心配なのでしょうね。
 何せ自分が校医を務めているほどですものね。
 きゃあvv やっぱりそれが先なのかなぁ、と

話がドンドコ脱線してゆくに至って、

 「〜〜〜っ。///////」

人をダシにするなとばかり、
こらぁと腕を振り上げた久蔵殿だったのへ。
おおよく気がつきましたねと はしゃいだのがひなげしさんなら、
なかなかの成長だと喜んでしまう白百合さんな辺り。
窓のお外で大荒れな、秋の嵐も何のその、
豪気なお嬢様たちなのも相変わらずらしくって。

 これに勝るほどもの大暴れだけは、
 できればお控えくださいましねvv ねっvv





    〜Fine〜  14.09.13.


  *何でしょうか、夏の大暴れでは足りなかったというものか、
   台風でもないのに、いきなりの大荒れなお天気になりましたね。
   こっちでも遠雷以上に近い雷鳴を久々に聞きました。

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